地震や台風、豪雨などで急な避難が必要になったとき、防災バッグがあれば慌てず行動しやすくなります。ただし、たくさん詰め込みすぎると持ち運びにくくなるため、本当に必要なものを優先して準備することが大切です。
防災バッグの中身は、家族の人数や年齢、持病の有無、住んでいる地域によって変わります。この記事では、基本となる持ち出し品から、女性・子ども・高齢者がいる家庭で用意したいもの、準備のポイントまで紹介します。
防災バッグの中身には何を入れる?
防災バッグには、避難直後の安全確保や最低限の生活に必要なものを入れます。自宅に備蓄する水や食料とは分けて、背負ってすぐに持ち出せる量に絞るとよいでしょう。
飲料水・非常食
飲料水は、500mlのペットボトルを1〜2本ほど入れておくと持ち運びやすくなります。備蓄用の水は自宅に多めに置き、防災バッグには避難中に飲む分を優先して入れるのがおすすめです。
非常食は、火を使わずに食べられるものが便利です。栄養補助食品、ゼリー飲料、缶詰、ビスケット、チョコレート、ようかんなどを用意しましょう。賞味期限が近づいたら普段のおやつや食事として消費し、新しいものへ入れ替えると無駄がありません。
ライト・モバイルバッテリー
停電時や夜間の避難では、ライトが欠かせません。懐中電灯でも使えますが、両手を空けられるヘッドライトがあると、移動や作業がしやすくなります。電池式の場合は、予備の乾電池も一緒に入れておきましょう。
スマートフォンは、連絡手段や災害情報の確認、地図の閲覧に役立ちます。モバイルバッテリーと充電ケーブルをセットで準備し、定期的に充電できる状態か確認してください。電池式のラジオもあれば、通信が不安定なときの情報収集に使えます。
救急用品・常備薬
怪我の手当てができるよう、絆創膏、消毒液、ガーゼ、包帯、使い捨て手袋などを入れた救急セットを準備します。いざというときにスムーズに使えるよう、普段から使い方を確認しておくと安心です。
持病がある人は、処方薬を数日分と、お薬手帳のコピーを用意しましょう。眼鏡やコンタクトレンズ用品、アレルギー薬、鎮痛薬なども、本人に必要なものを加えます。薬には使用期限があるため、食品同様、年に数回は中身を見直してください。
現金・身分証明書のコピー
停電や通信障害が起きると、電子決済やATMが使えない可能性があります。小銭を含めた現金を、防水性のある袋に入れておきましょう。自動販売機、公衆電話、少額の買い物などで小銭が役立つことがあります。
運転免許証、健康保険証、マイナンバーカード、通帳、保険証券などは、コピーを防水袋に保管しておく方法があります。原本を持ち歩くことに不安がある場合は、コピーだけでも避難先での本人確認に役立つ可能性があります。
衛生用品
マスク、消毒用シート、ウェットティッシュ、携帯トイレ、トイレットペーパー、歯ブラシなどは避難生活で必要になりやすい用品です。特に断水時には、手洗いやトイレが普段どおりに使えない場合があります。
携帯トイレは、避難所だけでなく、自宅避難で水洗トイレが使えなくなったときにも役立ちます。ごみを密閉するポリ袋や、使い捨て手袋も一緒に用意すると、衛生管理がしやすくなるでしょう。
防災バッグにあると便利なもの
最低限の用品をそろえたら、避難中の不便やストレスを減らすアイテムを追加してみましょう。軽くて用途が多いものを選ぶと、バッグの重さを増やしすぎずに済みます。
タオル・ウェットティッシュ
タオルは、汗を拭く、首元を温める、けがをした部分を固定する、簡易的な目隠しに使うなど、用途が多いアイテムです。かさばりにくい速乾タオルを選ぶと便利でしょう。
ウェットティッシュは、水が使えないときに手や顔を拭くために役立ちます。アルコール入りと、肌に使いやすいノンアルコールタイプの両方があると、場面に応じて使い分けられます。
防寒具・レインコート
避難所や屋外では、夜間に冷え込むことがあります。季節を問わず、薄手の防寒シート、カイロ、軽量の上着を準備しておくと安心です。冬は手袋やニット帽も加えるとよいでしょう。
レインコートは、雨の日の避難だけでなく、防寒や着替え時の目隠しにも使えます。両手が使えるポンチョ型や上下分かれたタイプなど、動きやすいものを選ぶのがおすすめです。
ラップ・ポリ袋
食品用ラップは、食器にかぶせて洗い物を減らしたり、傷口の保護に使ったりできます。食べ物を包む、寒いときに衣類の内側へ入れて風を防ぐなど、応用しやすい点もメリットです。
ポリ袋は、ごみ袋、汚れた衣類の保管、防水、簡易トイレの処理など幅広く使えます。中身が見えにくい黒や不透明の袋も入れておくと、衛生用品を捨てる際に便利です。
耳栓・アイマスク
避難所では多くの人が同じ空間で過ごすため、明かりや話し声、物音が気になることがあります。耳栓とアイマスクがあると、周囲の環境が普段と違う状況でも休息を取りやすくなります。
体力や気力を保つためには、短時間でも眠ることが大切です。特に音や光に敏感な人、小さな子どもがいる家庭では、人数分を準備しておくとよいでしょう。
女性や子どもがいる場合は何を入れる?
防災バッグは、家族構成に合わせて中身を変える必要があります。共通の用品だけでは足りないこともあるため、女性、赤ちゃん、子ども、高齢者、持病のある人に必要なものを追加しましょう。
女性が備えておきたいもの
女性用の防災用品として、生理用品、下着、サニタリーショーツ、カイロ、防犯ブザーなどを準備しておくと安心です。生理用品は予定日に関係なく、少し多めに入れておくとよいでしょう。
避難所ではプライバシーを確保しにくい場合があります。中身が見えないポリ袋、羽織れるカーディガンやストール、簡易的な目隠しになる大判タオルも役立ちます。
赤ちゃん・子どもに必要なもの
赤ちゃんがいる家庭では、粉ミルクまたは液体ミルク、哺乳瓶、離乳食、紙おむつ、おしりふき、着替えを多めに準備しましょう。ミルク用のお湯を確保できない可能性もあるため、液体ミルクは特に便利です。
子どもには、年齢に合わせた非常食、飲み物、常備薬、母子手帳のコピーを用意します。不安や退屈を和らげるために、小さなおもちゃ、絵本、ぬり絵などを入れておくのもおすすめです。
高齢者や持病がある人に必要なもの
高齢者や持病がある人がいる場合は、普段飲んでいる薬を最優先に準備します。お薬手帳のコピー、かかりつけ医や薬局の連絡先、診察券のコピーも一緒にしておくと、避難先で説明しやすくなります。
必要に応じて、入れ歯と洗浄剤、補聴器と予備電池、眼鏡、杖、介護用おむつ、血圧計などを加えましょう。本人が自分で持ち運べるバッグを別に用意し、必要なものを分散させる方法もあります。
防災バッグを準備するときのポイント
防災バッグは、用意して終わりではありません。災害時にすぐ持ち出せて、実際に使える状態を保つことが大切です。
重くしすぎない
防災バッグは、背負って避難できる重さに抑えましょう。政府広報では、持ち出せる重さの目安として、成人男性は約15kg、成人女性は約10kg、子ども・高齢者は約6kgを想定しています。
水や食料を多く入れすぎると、必要なときに運べなくなるおそれがあります。防災バッグには避難直後に必要な分を入れ、数日分の水や食料は自宅備蓄として別に置く方法がおすすめです。
定期的に中身を見直す
防災バッグは、少なくとも年に2回は中身を確認しましょう。非常食、飲料水、乾電池、モバイルバッテリー、薬の使用期限や賞味期限をチェックし、古いものは普段使いへ回して新しいものを補充します。
季節に合わせて中身を変えることも重要です。夏は冷感シートや塩分補給ができるもの、冬は防寒具やカイロを増やすなど、気候に合わせて調整してください。
すぐ持ち出せる場所に置く
防災バッグは、玄関付近、寝室の出入り口、家族が集まりやすい場所など、すぐ手に取れるところに置きます。押し入れの奥や高い棚の上など、取り出しにくい場所は避けましょう。
家族全員が置き場所を把握しておくことも大切です。夜間の地震や停電を想定し、靴やライトもベッドの近くに置いておくと、避難時のけがを防ぎやすくなります。
まとめ
防災バッグには、最初は命を守るものを優先し、重くなりすぎないように準備することがポイントです。
女性、子ども、高齢者、持病がある人がいる家庭では、それぞれに必要な用品を追加しましょう。定期的に中身と使用期限を確認し、家族がすぐに持ち出せる場所に防災バッグを置いて、もしものときに備えてください。









